最終章では、生成AIから期待通りの出力を引き出すテクニック「プロンプトエンジニアリング」を解説します。良いプロンプトの構成要素から、試験頻出の3つの手法(Zero-shot・Few-shot・CoT)、そして実務での活用例まで、すぐに使える知識をまとめました。
1. 良いプロンプトの4つの構成要素
AIは「空気を読む」のが苦手です。条件を具体的に指定すればするほど、精度の高い出力が得られます。以下の4要素を意識するだけで、回答の質が大きく変わります。
【指示】以下の商品説明文を魅力的なキャッチコピーに書き直してください。
【文脈】ターゲットは30代の働くお母さんです。
【形式】20文字以内で3案、箇条書きで出力してください。
2. 代表的なプロンプトエンジニアリング手法
試験で頻出する3つのテクニックです。名前と特徴をセットで覚えましょう。
例示(サンプル)を一切与えずに、直接指示だけを出す方法です。現在の高度なLLMは、シンプルなタスクならこれだけで十分な精度で対応できます。
「おはようございます」
Good morning.
AIに望む出力の例(サンプル)をいくつか提示してから指示を出す方法です。独自のフォーマットや特殊なタスクをさせたいときに非常に効果的です。
例1:最高の気分だ → +
例2:最悪の1日だ → –
問題:今日は疲れた →
–
AIにいきなり答えを出させるのではなく、「ステップ・バイ・ステップで考えてください」と指示することで、計算問題や論理的推論の正答率を劇的に上げるテクニックです。AIは「途中式(思考プロセス)」をテキストとして出力しながら考えることで、論理の破綻が少なくなります。
「りんごが15個あります。3人で同じ数ずつ分けると、1人何個もらえますか?」
ステップ1:合計のりんごの数を確認 → 15個
ステップ2:分ける人数を確認 → 3人
ステップ3:15 ÷ 3 = 5
答え:1人5個
3. 実務での代表的な活用例
長文を短くまとめる使い方は、ハルシネーションが起きにくい安全な使い方として特に推奨されます。会議の議事録・長文記事・レポートの要点抽出に最適です。
単なる直訳にとどまらず、「ビジネスメール風に」「フランクな感じで」といったトーンの調整まで指定できる点が、従来の翻訳ツールとの大きな違いです。
企画のブレインストーミングの相手として活用できます。「反対意見を出して」「別の切り口を5つ提案して」といった指示が特に効果的で、思考の幅を広げてくれます。
📝 確認テスト(チェックポイント)
全5章の締めくくりです。最後まで確認してみましょう!
- AIに望む回答形式を学習させるために、質問と一緒に「いくつか回答の例(サンプル)」を提示するテクニックを「〇〇〇ショット・プロンプティング」と呼びます。〇〇〇は何ですか?
- AIに複雑な計算や論理問題を解かせる際、「ステップ・バイ・ステップで考えてください」と指示することで、思考の過程を出力させて正答率を上げるテクニックを何と呼びますか?(英語略称3文字または日本語名どちらでもOK)
① フュー(Few-shot Prompting) / ② CoT・思考連鎖プロンプティング(Chain-of-Thought Prompting)
第1章のAI基礎から、生成AIの仕組み・最新トレンド・法律リスク、そしてプロンプトエンジニアリングまで、生成AIの全体像を体系的に学びました。学んだ知識をぜひ日々の業務や生成AIパスポート試験に活かしてみてください!
