1990年から1999年の10年間どうしてCDは売れたのだろうか?1991年(平成3年)2月バブル崩壊となるわけですが、崩壊後もCDは売れ続けました。
そもそもCDを購入していたのは誰なのか?そして今、音楽コンテンツを多くの人に提供するにはどんな方法が良いのか?時代をさかのぼって調べたことで分かりました。
55歳以上になるとCDを買わないかも
上記記事によると、「平成13年度の音楽パッケージソフトユーザー白書」によって購買層のシェアが発表されていました。
この購買層に関する資料から「CDを買っていた人」を推定したいと考えています。
しかし、平成13年(西暦2001年)ということで90年代を過ぎてしまっています。
使って良いデータなのか考えました
平成13年を調べたところ、当時の音楽配信サービスが3年連続で減少しており、全体的に売上は振るわなかったこと。(ウィキペディア平成13年の音楽より)
唯一、スマートフォンっぽかったものが、ドコモのFOMAだったことなど。時代はそんなに進んでいたなかったと仮定し90年代の購買層とさほど変わらないのではないかという判断しました。
音楽パッケージソフトユーザー白書によると、CDを最も購入する年代は「20代社会人」との結果でした。
CD購入層
- 中学 5.3%
- 高校 5.5%
- 大学 5.3%
- 20代 24.5%
- 30代 21.6%
- 40~55歳 37.9%
調査対象者:12~55才男女(ただし小学生は除く)男性400 女性400 計800人
調査エリア: 東京30㎞圏
ウェイトバック集計について:
実際の人口構成は年代によってバラつきがあるため人口構成比に合わせるために係数をか
ける、「ウェイトバック」と呼ばれる統計手法を用いています。
本調査の数字は、全てウェイトバック後のより人口構成比にそった数字を用いて
います。
あらためて調べてみると、90年代の40~55歳までには、あの団塊の世代が含まれています。(団塊の世代とは、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれている人)
人口の多い世代が若かった。これならCD売れるよなあと単純に思ったのですが、人口ピラミッドも見てみましょう。
出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ (http://www.ipss.go.jp/)
出典:人口ピラミッドデータ(http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/pyra.html)
売上についての仮説
お金を自由に使える社会人が主なCDの購買層。55歳以上になるとあまり購入しない。
1990年の人口ピラミッドは、団塊の世代も45歳位で現役の購買層だった。45歳から55歳(1990〜2000年)までの間はCDを購入したので、90年代はCDの売上が大きく減少しなかった。また団塊ジュニア世代と呼ばれる20代の人口が多い。
2000年の人口ピラミッドと音楽パッケージソフトユーザー白書のデータの比率がぱっと見、似た感じです。ユーザー白書の調査結果がウェイトバック集計で人口構成比に合わせるために係数をかけているので当然といえば当然なのかもしれません。
2015年の人口ピラミッドでは、1990年の45歳が70歳。2000年の45歳も60歳となりCD購買層から外れてしまった。合わせて20代がかなり少なくなっています。
購買層と年齢層の関係に間違いがなければ、CDが売れなくなるのも当然の気がします。
CD売上のピーク
- CDシングルのピークは1997年の1億6782万7000枚(年間販売数)
- CDアルバムのピークは1998年の3億291万3000枚(年間販売数)
(いずれもウィキペディアより)
今回CDについて調べて分かったこと
2000年以降のCDの売上減少は、購買層が急激に減少していたことに気が付かず、55歳以上の購買層が困難になるような音楽配信サービスへ向かったことも関係があるように思えます。(テクノロジーの変化なので仕方ないです)
20歳から55歳までがCD購買層だとすると、一番ボリュームのある世代に最適なサービスを提供することが必要なのは間違いありません。
とは言っても、定額聴き放題での再生回数がコンテンツの良し悪しと一致するとは思えない部分もあります。身銭を切って購入したCDとは比べられないのでなんとも言えませんが。