どのサービスがダメと特定はしませんが、どうしてダメなのか?その理由が学習を進める中で見えてきました。
2.オフラインで幅広い年齢層に利用されているモノ程ムズカシイ
3.オフラインでの成功体験がオンラインの手法を拒否している
1.オフラインで成功した企業はオンラインビジネスを甘くみている
オフラインで流通しているサービスをオンラインに置き換えただけで、ウェブ上のサービスに顧客が移行したり、両方を併用するようになるのだろうか?
ウェブサービスはそんな簡単で甘いものではない。
普段、利用しているウェブサービスを使いはじめた理由はなんだろう?
電話や訪問販売、対面営業なんかで加入を促されたモノではないし、ウェブという空間で自分の意思により、「便利だから」「人と繋がれるから」「楽しいから」なんて気持ちが基準となっている気がする。
しかし、オフラインで電話による勧誘、訪問販売、店舗による対面営業、マスメディアを使った宣伝などを行なっているオフライン企業は、その成功体験から、オンラインでも同じことをすれば利用者が増えると思っているのである。
ひと昔前なのか、ふた昔前なのかわからないが、企業パンフレットをウェブに移行しただけの「ホームページ」を制作することが急激に進んだ事があったが。。。
そこを訪問する人について解析することも、そのデータを利用して新しいことを模索することもなかった。
そんな企業が、今はウェブサービスの時代だ!「自社のホームページを有料ウェブサービスにする」なんて方針を打ち出し、サイトの管理者に「有料化して収益をあげられる場所にしなさい!」なんて言っても、そのノウハウはどこからやってくるのだろう???
2.オフラインで幅広い年齢層に利用されているモノ程ムズカシイ
オンラインになった途端に、そのサービスを利用することが困難になる人が発生する。
2.例えばPDFを利用したいが、アクロバットを追加できない
3.タブレットをWiFiで使用する設定ができない
4.サービス開始までの作業(アカウント・パスワード発行、ログイン)ができない
ユーザービリティやUIの問題も多く関わっているが、オフラインをオンラインに置き換えただけで、何の問題もないと思っている企業の場合、上記の人も含めて「サービスのターゲット」だと思い込んでいるのである。
サービスがオフラインで継続的に行われている場合、あえて自分が利用することが困難なウェブサービスを利用する理由があるのか疑問なのだ。
利用者の年齢層や利用スキルは考慮されているか?
オフラインでの大半の利用者が「段階の世代以上」ならば、それを考慮したユーザービリティやユーザーインターフェイスにしないと、何もはじまらない。
博報堂DYメディアパートナーズのニュースリリースには有益なマーケティングデータが多数掲載されている。
2013年度 | ニュースリリース | 博報堂DYメディアパートナーズ
この中に「70代のメディア接触と生活意識・消費行動に関する調査報告」という報告書があるます。(2013年07月02日)
報告書の中では、「デジタルも必需品。ネットショッピング利用者も出現」という項目もあり
4割弱(35.6%)、男性では 4割以上(43.4)%が利用
・ネットショッピングの利用経験
2割弱(16.7%)PCインターネット利用者では 4割近く(36.2%)が利用
・携帯での通話
7割(69.9%)が利用
・メールは半数近く(47.9%)が利用
調査地域が首都圏というのもアタマに入れなくてはいけない。地域間で高齢者のネット利用に大きな差はないだろうか?
都道府県別のIT・情報・通信に関する普及率という調査結果がある。
IT・情報・通信|新・都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]
インターネット利用率の項目で解説に書いてあるように「高齢者と負の相関」があるのだ。つまり高齢者が多い程、インターネットの利用者が少ない。
オフラインのやり方をオンラインにシンクロしただけでは、予想している利用者数に、かなりの見込み違いが発生している可能性がある。
3.オフラインでの成功体験がオンラインの手法を拒否している
オンラインの手法ってなんだろう?
「根拠のない思いつきや数値化できないことに注力しないこと」だと私は思う。
社内のパワーバランス、上位管理者の思いつきでの意思決定、上位管理者に向けた社内レポート、どれも利用者には関係のない話だ。
全員がわかる数字を元に仮設をたて、ひとつひとつ地道に仮設検証をスピーディーに行う。現場に権限と責任を移譲し無駄な時間を省く。そうしない限りウェブサービスのグロースハックなんて一生できないのだ。
オフライン企業はやるべきことをやっていない
誤った集客方法を本来の集客方法へ転換させ、ウェブ解析という数字を利用し、全員がわかるこの数字を根拠にサービスを充実させる。定量調査や定性調査も定期的に行わなくてはならない。
ウェブサービスは、新聞のようなマスメディアに大々的に広告をうって、利用する人を増やす類のものではない。新聞にアドレスやQRコードを掲載してサイトへどの程度の流入があるのかを計測しているのならば、まだ先に未来はあるのかもしれない。(それは人としての話であって、やり方の話ではない)
普通にやることをやりましょう
SEM(リスティング広告)、バナー広告、メルマガ、アフィリエイト、ソーシャルメディアマーケティング、プレスリリース
サイトの目的が明確になっていれば、それぞれについて、数値を根拠とした仮説検証や改善を行うことができますが、
何の根拠もなく、ただオフラインの素材をそのまま利用している限りは、これらを普通にやっても効果は上がらないだろう。
普通にやることを放り投げて、人海戦術を駆使した営業を一番に考える。サービスの利用状況を無視して、何の改善もしないし、その数字には興味がない。
そんなサービスがあったとしたら、利用者登録してくれた義理や人情に厚い人は、そのサービスをいつまで利用してくれるのだろうか?