最近、印象に残る挨拶で「自分のできることを頑張ります」という言葉を聞いた。
新しい職につき、これからお願いしますという挨拶なのだが、未経験の仕事で、新しい仲間に対してする挨拶にはふさわしくないと感じた。
彼の言う「自分のできること」って何でしょうか?
まだ信用も信頼もない状態での挨拶
人間としての信用にレベルみたいなものがあるなら、彼の信用レベルはあまり高くない。なぜなら、物事を深く考えているように見えないからだ。
転職の経験がある人なら理解できると思うが、新しい仕事を覚えるのは簡単なことではない。
自分が仕事として行うことが、消費者や取引先との間でどういった役割なのかを知る必要がある。
配属された場所で求められている役割。求められている成果。そこを理解せずに「できることを頑張る」と言われても、とてつもないミスマッチや大きなトラブルを引き起こすのではないか?
本来であれば、「自分に求められていることを理解して、責任をもって結果を残せるよう頑張ります」と言う方が信用レベルは高くなったのかもしれない。
指示されたことを無責任に行う
ありがちなことですが、仕事の手順だけを覚えるのは、レシピで料理をつくることに似ています。
レシピと同じに進めば目的とした完成品に仕上がるはずですが、レシピを実践する過程でイレギュラーなことが発生すれば、どうして良いのかわからい状況になります。それを解決するには場面に応じた知識・経験が必要になるのですが、なかなかそれを身につけるのは難しい。
最近こういう人が増えている
・正解を丸暗記して実行することを仕事だと勘違いしている
・結果が出ないのは指導をする人の責任
どこの職場でも、このような人が増加し、職場における「考える力」「問題解決」のレベルが下りに向かって最速で進んでいるのではないだろうか?
教えられた手順・レシピと同じにならないから結果がでない。コストをかけてもミス・失敗を認めない。決められた時間から遅れた理由は指導が悪い。だからミス・失敗を認めない。
いずれも自分の自尊心を保つため、会社の資産を利用しているだけで、自分で判断する能力を身につけてもらうためのコストではありません。
どこの職場も人材不足ですが、「深く考えない人」「客観的に自己評価できない人」を採用すると、後々、大きなトラブルにつながることを覚悟しなくてはなりません。
「自分ができること頑張ります」というセリフを聞いたら万が一を疑ってみて下さい。
こういう人ほど「体力には自信があります」と言いますが、必要な時にはその現場にいてくれません。